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長い持ち時間で考えること

長い持ち時間で考えること

Analysis
長い持ち時間のゲームの時、どのようなことを考えてますか?

私は長くても、持ち時間10分、1手ごとの追加時間なし、のゲームしか最近はやってませんでしたので、長い持ち時間のゲームになると、何を考えれば良いか分からず、特に相手番で相手が指してくるまで、ぼーっとしてしまうことがあります。

そのため、長い持ち時間のゲームで、どのように考えたら良いか、考えてみました。

まずは、長い持ち時間のゲームを経験して、その中で、どのように考えたら良いか考えました。
考え方は人それぞれですので、1つの参考としてご覧ください。

私はネットでしか対戦しませんが、長い持ち時間のゲームをやらない理由の1つに
相手がずーっと指してこない場合や、回線切断されると悲惨
というのがありました。

ただ、長い持ち時間でよく考えることは、実力向上になるため、これからは、長い持ち時間のゲームもやっていこうと思います。持ち時間が日数単位の通信チェスも、考える時間はたっぷりありますが、ライブで持ち時間が長いゲームの方が、集中力が高まるため、ライブゲームの方が得るものは多いような気がします。

長い持ち時間といっても色々ありますが、私はネット対戦のみのため、lichess で
持ち時間15分、1手ごと10秒追加
持ち時間30分、追加時間なし

この2つが、比較的持ち時間が長く、時間帯にもよりますが、対戦相手が見つかりやすい感じです。

さて、長い持ち時間で考えること、ですが
自分の手番と、相手の手番の時で、考えることが変わってきます。

自分の手番の時は、比較的 考えやすいですが、相手の手番の時は、何を考えれば良いか分からず、ぼーっとしてしまうことがあります。

長い持ち時間で、相手番を活用できるようになれば、持ち時間の節約になるため、相手番で何を考えるかがポイントになってきます。

以前はよく、相手が次に何を指してくるか、考えてましたが、相手が次に指してくる手だけを考えるのはあまり意味がなく、相手の次の指し手に、こちらはどう応じるかを考えることになります。

また、相手の指し手の狙いや意味を考えることは、よくあることですが、それは主に、相手が指した後、自分の手番の時に考えることが多いと思います。

以下、相手番の時に考えること、を記載します。

考えることはいろいろありますが、考える目安のようなものがあれば、考えやすいため
ここに記載しているのも、考える目安となるものです。

1.相手の指し手が限られる場合

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27.Qd6 の局面です。27...Rxf2 に対して 28.Qd8+ でクイーンを交換し、単純化する狙いですが、Qd6 が守られてない Rf8 を攻撃しているため、黒の指し手が限られてきます。
相手の指し手が限られる場合は、比較的 考えやすいと思います。局面の難しさは別として。

上の局面では
27...Rxf2
27...Kg8
あるいは Rf8 を動かした場合について、応手を考えます。

実際には、27.Qd6 と指す前に、それらのことを考えてから 27.Qd6 と指すわけですが
27.Qd6 と指して相手番になったら、黒が次に指す手に対して、応じ手を考えます。
それ以外のことも考えますが、まずは、相手の指し手が限られる場合、についてでした。

2.プランと脅威に関して

プランはいろいろありますが、目安として分かり易いものとしたいため
単純化
戦略的なプラン

主にこの2つを考えます。

脅威に関しては
脅威を与える
脅威に対処する

この2つを考えます。
参考例を見てみましょう。

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32.hxg4 の局面です。
白の方がマテリアル( 駒の損得 )で勝っているため、白としては単純化していきたいところです。
Be4 が b7 ポーンを攻撃しており、黒の指し手は限られそうです。
相手の指し手が限られる場合、ですが、ここでは他のことも考えてみましょう。
相手番の活用です。

まず、単純化ですが、すぐ単純化できるような状況ではないため、とりあえず飛ばします。

次に、戦略的なプランについて。
戦略的なプランは、ポーンストラクチャーや、スペース、オープンファイル、ピースによる戦略など、様々なものがありますが、戦略的なプランがあるか、考えます。

image

この局面で戦略的なプランは、脅威に関するものと一緒に考えていきましょう。
まず、脅威を与える、ことについて。Be4 が b7 ポーンを攻撃しているため、すでに脅威を与えてますが、Rd7+ も脅威を与えることになります。

脅威に対処する、ことについて。
b3 ポーンが黒ルークに攻撃される脅威が考えられますが、32...Rb2 には 33.Rd7+ から 34.Rxb7 で b7 ポーンを守れます。

32...Re2 で e3 ポーンを攻撃されるのも脅威です。
32...Re2 33.Rd7+ から 34.Rxb7 Rxe3 35.Bxg6 Rxg3+ 36.Kh2 Rxg4 は良くない感じのため
32...Re2 33.Rd7+ から 34.Rd3 でしょうか。

これらのことから、戦略的なプランより、脅威に対処することが優先となりそうです。
実際のゲームでは 32...Rb2 33.Rd7+ Kh8 34.Rxb7 となりました。

https://lichess.org/7USFgtwp

まとめ

長い持ち時間のゲームをすることは実力向上につながる

相手番で考えること
1.相手の指し手が限られる場合
限られた指し手の先を読む

2.プランと脅威に関して

単純化
戦略的なプラン

脅威を与える
脅威に対処する

自分の手番の場合は、相手が指した手の意味や狙いも考えます。

最後に、持ち時間が長いゲームの時間配分について

オープニング
定跡を知っている局面までは時間短縮できる。
定跡を知らない局面から時間がかかるが、オープニングで時間を使い過ぎないようにする。

ミドルゲーム
できるだけ有利な状況でエンドゲームにつなげたいが、エンドゲームで残り時間が
少なくなると不利を招くため、その点 注意する。

エンドゲーム
残り時間が少ないとミスをしやすくなるため、ミドルゲームで時間を使い過ぎないようにしたい。